
旧逓信省・平礒水底線陸揚室
1927年(昭和2年)築、有形文化財(平成15年登録) |

佐多岬半島の小浜に残る海底ケーブル陸揚設備の遺構。

愛媛県平磯~大分県佐賀関町間、伊予灘(約44km)を結ぶため昭和2年設置。
九州と四国・本州をつなぐ拠点として、日本の近代化を影で支えた通信設備です。
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美しい入口のアーチや、窓枠の煉瓦タイル。
小さなRC造の平屋ですが、無骨な力強さとモダンな美しさに溢れていました。 |





花崗岩の石垣は、90年近く海風に晒されたとは思えない美しさ。

三方を断崖で囲まれ周囲から断絶されたこの浜を
立地に選んだのは、軍事的な理由があったからかもしれません。


先人達の書き記した文字が残る端子盤跡。
当時の技術者の方の仕事ぶりや息遣いが伝わってきます。

内部は文化財とは思えないほど荒廃しており、今後が懸念されます。
末永く後世に残してゆくためにも、関係機関には早急な保全を求めたいです。


陸揚室の前に広がる伊予灘。

彼方に見た陸揚室のある平礒地区。
※ご注意※
三方を断崖、一方を海に囲まれた本設備に至る整備された安全な道はありません。
滑落の恐れのある急勾配の断崖、内部にも危険箇所が多く、命にかかわる危険もあることから安易な訪問は絶対にお勧めできません。 |

参考:旧井野浦水底線陸揚室
*本遺構を同じく、佐多岬半島に残された陸揚室遺構です。
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